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院長の想い

私には歯科医師として、過去に経験した忘れることのできない2人の患者さんがいます。

途絶えた患者の訪問

治療の途中で来院が途絶えた若い女性

それは以前、勤務医として働いていたときのことです。
当時、担当していた患者さんに、若い女性の方がいらっしゃいました。
その方は小さな頃から歯医者に幾度となくかかっており、お口の中が治療した痕がたくさんありました。僕が担当になった時も、残念ながら2次むし歯が複数本、出来てしまっていました。
当時の僕は、一生懸命治療をしました。持てる限りの技術を使って、しっかりと治療をしました。その結果、どんどんお口の中は改善していきました。

ただその患者さん、ある時突然、来院が途絶えてしまいました。
当時の僕は「あの患者さん、最近来てないなー」くらいにしか思っていませんでした。
本当に浅はかだったと、今ではとても後悔しています。

2年ほど経った時、その患者さんが来院してくれました。
妊娠をされ、出産し、少し落ち着いたから治療の続きを希望されての来院でした。
早速、お口の中を拝見したとき、愕然としたのが今でも忘れられません。

若かった当時の僕が治療した部分は、良好な状態を保てていました。
ただ残念ながら、未処置のままで経過してしまった部分がさらに悪化していました。

戻ってきてくれたその患者さんに、僕が最初にした処置が、右上の奥歯の抜歯でした。
当時まだ、20代の女性にです。

その時の感情が今でも忘れられません。これを書いている今も、正直、あの時の気持ちが蘇り、激しく動揺しています。

予防歯科への転機

自分は何のために、歯医者になったのか?
もちろん、必要であればむし歯の処置はもちろん行いますし、歯を抜くなどの処置もします。
ただその患者さんは、小さなころから歯医者に何度もかかっていた。しかも自分自身も治療を行っていた。妊娠期間など、仕方のない面もありますが、結果、若い女性の歯を抜いた。

こんなことをしたくて、自分は歯医者になったのか?
なんか違う気がする。
なんで自分は、歯科医師としての人生を歩んでいるのか?

僕は、患者さんに健康になってほしい、そのために歯科医療を提供していきたい。
そんな想いを強く抱くようになりました。

健康の本質と予防歯科の重要性

では、健康ってなんだろう。自分にとって、また、患者さんにとっての健康ってなんだろう。歯に穴の空いた状態(むし歯)は確かに健康的ではない。それはしっかりと治療をしよう。うまく咬めない。歯が痛い。咬むと違和感がある。お困りごとはしっかり治療したい。

でも、一番大事なのは何か?最初から困らないことが一番いいのでは?
だから僕は、「予防歯科」が1番大事ではないか、と考えるようになりました。

と同時に、その患者さんの来院が途絶えてしまったのは、妊娠されたことがきっかけでした。とても素晴らしいことの一方で、後に歯を抜いてしまうことにもなってしまいました。

保育士がいる歯科医院

勤務先を退職させていただいた後、様々な開業医さんを見学させていただきました。
その中の1軒に、保育士さんを雇用されている医院さんがありました。
「これだ!」と思いました。

子育て中の母親たちへの負担軽減

小さなお子さんがいらっしゃって、なかなか歯医者にかかれないお母さんたちがいる。 だったら保育士さんがお子さんを預かれば、少しでも負担を減らすことが出来るのでは?
そんな想いもあって、2013年に院内を大きくリニューアルした時から、当院では今でも継続して、保育士さんに来ていただいてます。

子ども患者への思い

もう1人の患者さんは、小さなお子さんでした。
幼稚園に通っていた頃から、小学校の低学年になるまで担当させていただきました。
いつも笑顔でニコニコしていた女の子でした。

甘いお菓子が大好きで、どうしてもむし歯になってしまい、何度か治療をしていました。

むし歯治療で見た涙

当時の勤務先の退職の時期が迫っていた時、その子のむし歯治療をした際、あろうことか痛みを与えてしまい、泣かせてしまいました。
いつも笑顔で、それまで1度も泣いたことなかったのにもかかわらず。
そしてそれが彼女との最後の治療の機会となってしまいました。

「子供を泣かせたくて歯医者になったんじゃない」

予防歯科と小児歯科の重要性

1人目の患者さんとのことも相まって、やっぱり「予防歯科」に力を入れたい。
その上で、小さな子供の頃から、むし歯になった経験がない人になってほしい。
子どもの頃から「むし歯ゼロ」を実現したら、お口のことで困る確率はかなり少なくなる。

米津歯科医院の使命宣言

予防歯科と小児歯科の分野に力を入れたい。
この地域の方々が、お口のことで困ってしまうことをできる限り少なくしたい。
しっかりと予防をし、必要であればしっかりと治療を提供することをこれからも続けていきたいと思います。